現在わが国では高齢者人口が加速度的に増え続けており、2025年には、65歳以上の高齢者数が、3,657万人となり、2042年にはピークを迎える予測(3,878万人)となっています。
また、75歳以上の高齢者は、2055年には2,401万人に達し、全人口に占める割合は25%を超える見込みです。(※1)
言わば超高齢社会、そして多死社会が到来するとも言えます。
※1 厚生労働省資料より
今後の更なる高齢化により、長く病を抱えながら生活する人々が増加することが考えられます。
これに伴い、医療においても、病気を治すことに主眼を置く「治す医療」に加えて、患者とその家族を対象とし、生活を主眼に置きながら支援して行く「治し支える医療」が求められるようになってきています。
その理由は、国家財政にかかる社会保障費の問題です。
高齢者が増加する一方、益々増加する社会保障費が国の財政を圧迫してしまう為、行政の医療政策は「長期入院にかかる医療費の抑制」や「効率的な病床の活用」を目的に、病院から在宅への療養環境の移行を進めています。
厚生労働省が示した「病院から在宅」へという流れの中で、国も、2025年をめどに「地域包括ケア」の実現と在宅医療の推進に向けて加速しています。
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、多職種連携体制づくりを考えた時、医療と生活モデルの両方の橋渡しができる「訪問看護ステーション」はその中核になるはずです。
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厚生労働省が示している「病院から在宅へ」という流れの中で介護保険を使えるサービスも多く増えてきています。
一部、淘汰に近い単価の削減なども行われ、撤退が相次ぐサービスも見受けられます。
ただ、訪問看護ステーションに関しては軸足を医療に置いている関係で、大きな報酬削減もなく、近年まで来ています。
なぜ、報酬改定でも下げ幅が小さいのか?それは、世の中にまだまだ必要とされている事業だから。と言えるでしょう。
単価から計算した1日の売上高も、他サービスと比較して群を抜いています。
▼ 通所介護や訪問介護と比較した場合の収益性
訪問看護ステーション数は、訪問介護、通所介護の事業所数と比較した場合、その数は未だ5分の1、4分の1の事業所数しかなく、需要に供給が追いついていない状況です。
超高齢化社会に突入する2025年には、12万人の訪問看護スタッフが必要と試算されています。
現在の訪問看護ステーションのスタッフ数でみると1ステーション当たり、5名~7名となっています。
ということは、5名で単純計算してみると、2,400程度の訪問看護ステーション数が必要ということになります。
これからは、ステーションの大規模化が促進されるでしょうから、この数字よりは低いはずですが、令和3年時点では全国総数で13,000ステーション程度なので、まだまだ必要とされる数には到達していないというのが現状です。
訪問看護ステーションの数は毎年増えています。2021年4月現在では、全国の訪問看護ステーション数は約13,000が総数となっています。(一般社団法人全国訪問看護事業協会より)
日本看護協会、日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会の3団体が策定した「訪問看護アクションプラン2025」では、在宅での死亡率を現在の12.5%からオランダ、フランス並みの30%に持って行く為には、平成26年度の全就業看護師約150万人の中で、4万人程度しかいない訪問看護師を前段の試算より多い、15万人まで増やさなければならないと謳っています。
現在の訪問看護ステーションの実態を見てみますと、小規模経営が多く、平均3人~5人未満のステーションが全体の約60%を占めている状況ですが、2025年に向けて、訪問看護ステーションが目指す姿は「多機能化」と「大規模化」です。日本全国どこでも24時間365日、いつでも必要な質の高い訪問看護サービスを届けることが望まれるからです(同、訪問看護アクションプラン2025より)。
これら、現状の趨勢を考慮すると、少しでも早めに訪問看護事業へ参画することがポイントとなります。
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